お茶室

花は野にあるように

花は野にあるように

皆様、こんにちは

お茶はとても季節を大切にしています。

季節に合った道具、床に飾る花…、お茶室のしつらえは自然の恵み、日本の季節の美しさを取り入れ、皆様をおもてなしする、お茶室の醍醐味です。

よく質問されることの一つに「床の花はどんなものを?」というのがあります。

それは香りのきつい花(キンモクセイ、ジンチョウゲ、クチナシなど)、棘や毒のある花(ノイバラ、アセビなど)は避けると覚えていただくのがよいかと思います。また名前がよくないものは避けます。例えば「ヘクソカズラ」「シビトバナ(別名、彼岸花、曼殊沙華)」などは避けることがお客様への配慮だと感じます。

花を飾る花入れは風炉と炉の季節で変わります。大まかに言えば、風炉の季節は竹籠、炉の季節は焼き物(陶磁器)を使います。

炉の季節は、床が畳床の場合は花台あり、板床の場合は花台を敷かず直接置きます。一方、風炉の季節は、竹籠が花台の役割を果たすと考え、花台は使いません。

花の種類は、風炉は季節の花をさりげなく生けます。「花は野にあるように」と言いますが、野にあるように生けようと思えば、普段から野にある花を見ていないとそうはいかないですね。生活の中に花を愛でるゆとりの心があることが大切です。

炉の季節は、花が少なくなるので主に椿を生けます。茶花は開ききったものではなく「今まさに咲かんとす」という風情のものを生けます。私の思うとことですが、花は盛りの美しさもありますが、これからまさに開かんとするエネルギーと花が開くという期待、その瞬間を共に楽しむことがまた一つのおもてなしになるように思います。

また、花を生けるということは花の命をいただくこと。美しい花の最高の瞬間を集う皆様と共に味わい、称美することも自然への感謝につながることになるかなとも。自然の恵み、命の輝きを見せてくださる神様の愛を感じながら花を生けています。

 

<風炉の季節の花>

夏の花は一日花(朝咲いて夕方にはしぼむ)が多くあります。酔芙蓉もその一つ。時間と共に酔ったようにピンクに色づく花が可憐です。夏の床に飾りたくなるお花です。

時間と共に色を変え、お茶室で過ごした時間を数字でも言葉でもなく表現してくれます。楽しかったひととき、一期一会の時間、デジタルではない時間の流れは優雅で味わい深いですね。

 

<炉の季節の茶花>

畳床には花台を敷いて、板床はそのままです。

細かい心配りも楽しいと感じます。お茶は準備も楽しみの一つ。どんなお花を?など考えることも亭主の楽しみです。

 

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